モンターグの貸出票

返却期限を過ぎました。

夕暮の齢

大人になったら僕はもう子供ではいられないんだ。そう思うといつまでも子供でいたい僕は星が右から左へ、はたまた左から右へと流れるのを期待してずっと夜空を見上げてた。けれどいつまでたっても星はその場で輝き続けるだけで、時折赤い月が気持ち悪く僕の…

フローベールの庭

庭に住み始めたカラス。私は彼だか彼女だか、その一羽の黒い鳥にフローベールと名付けてやった。フローベールは朝が近づくまだ日の昇らない暗がりで喧しくカアカアと鳴いた。私はフローベールの鳴き声に目を覚まし、縁側から庭を見る。声のする方はまだ暗く…

塩と警句

他人の、それは限りなく縁の遠い、言ってしまえば実在すら疑わしいその人たちの織りなす甘酸っぱさにわたしは吐気を催して、ただただ酸いだけの胃液と共に一粒の苺をベッドに吐き出した。ベッドは敷き直して間のない白い、本当に白いシーツのその上をわたし…

頃合い

頃合いなので白紙に戻す。