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モンターグの貸出票

返却期限を過ぎました。

花よ恋々猪鹿蝶

可哀想な子。俺はそう思った。帰宅部のあいつが膝にサポーターつけてる、しかも常時つけてるのは如何ともしがたい違和感があったが、どうやら開き直ったあいつの膝は芋だった。猪上タミ子。俺はあいつが幼稚園の頃からの付き合いで、といっても友達未満の知…

ヒザポテト

「球体関節ってご存知です?」「人形の関節が球体で形成してあるあれでしょ?」「そう、それです。まあそんな感じだと思ってください」「うん、うん…….いや分かるんだけどさわかんないよね。全く不可解」「はは……ですよね。理屈じゃない。理屈じゃないですね…

ラフスケッチ

晴れやかに雲ひとつなく清々しいまさに完璧と呼ぶに相応しい青一面の空が汚れのない海に同じ色を映し出して間に挟まれたわたしの視界に映る浜辺はこの春先であってさえ夏を感じさせる爽やかさのカラッとした空気に溶けない全裸の同級生がこちらにやってくる…

夕暮れひよこ饅頭

妹とは歳が三つ、三つだけはなれていた。たった三年の誕生日のちがいがわたしに妹を分からなくさせた。妹は奔放だ。そうだと思う。口数は少ない。目もいつだって座っていて眠そうな顔をしているのに家中を走り回ったりする。お母さんはそんな妹をとっつかま…

帰り途

ペロヲ先生は名をシアルルといって頭がカタツムリの体つきは男性だったけれど声色は女の人だった。ペロヲ先生は頭がカタツムリの顔はその殻の部分なのであっていつも視線というものを感じなかった。頭のカタツムリは時折紙みたくペラペラで子供の落書きのよ…