モンターグの貸出票

返却期限を過ぎました。

悪魔が来りてフラフープ

「んで、いつまでそうしてるんです?」
「☆♪☀︎☁︎☁︎☆♪」
「や、わかんないから。さっきから何言ってか全然わっかんねえから」
「☆♪☀︎☁︎☁︎☆♪」
「何者?ひとん家勝手に上がりこんで腰振ってフラフープ回して何事?」
「私は悪魔です」
「喋れんのかーい。にっぽんご、喋れんのかーい」
「日本語化パッチ探すのに時間がかかりました。諸事情により人間界に降りてきました」
「事情は分からんが有能ではないな御主。悪魔と言えばもっとこう、人を苦しめるような存在では?」
「……」
「や、まあ不快だけどね。実に不愉快。〆切近いんだこっちは。横でブンブンフラフープ確かに苦痛だわ」
「よかったです」
「よくないんだよ。かえってくんないかな?何故わたしん家?」
「グーグルアースからアルゴリズムが算出した場所がここでした。何かの縁としか」
「縁てね、そういうの縁て言わないんだよ。貧乏くじじゃん」
「貧乏なんですか?」
「貧乏じゃあないよ。金持ちでもないけど。そゆこっちゃなくてさ。貧乏になんないために仕事してんだ。それが目の前に迫ってんの。だから、フラフープ、やめろ」
「……」
「いいか?もっかい言うぞ。やめろ」
「マグロは動かないと死ぬんです」
「悪魔でしょ?マグロ関係ないよね?てかフラフープ回してその落ち着きムカつくな。冷めた面しやがって」
「母似なんで」
「知らんけどさ、お母さん知らんけどさ。ほんとかえってくんないかな?」
「新幹線の切符」
「は?」
「新幹線の切符なくしました」
「新幹線できたのかよ」
「鹿児島から、さくらで」
「おまえ、さっきここがアルゴリズムだなんだ言うてたよね?鹿児島着いてんじゃん。鹿児島でやれよフラフープ」
「そういうわけには」
「どゆわけよ?なんで魔界から鹿児島着いて切符買ってまでうちなのよ?わかんないよ。わたし全然わかんない」
「誰にでも間違いはあるかと」
「そうだな。だからおまえは今ここで腰振ってんの間違いだからさ。帰れ」
「新幹線」
「なんなん?鹿児島からじゃないと魔界戻れんの?鹿児島と魔界なんなん?」
「別にそうゆうわけではないですがせっかくなんで駅弁買って九州までってありかなと」
「……。わかった。ここに二万あるから。頼む。帰ってくれ。好きな弁当買ってくれ」
「母に叱られます」
「内緒にしとけや。肝ちいさいのう」
「ありがとうございます。じゃあお言葉に甘えて明日帰ります」
「今から出ろ!今すぐだ!今すぐ出ないなら二万も出ない!いや二万出すってんだから今すぐ出ろ!フラフープやめろ!」
「落ち着いて」
「おまえ、ほんと殺すよ?見ろこれ。デーモンキラーぞ!」
「包丁、ですよね?危ないんでしまってください」
「包丁ですよ。包丁ですが刺したら痛いですよ。だから刺す!」
「グゲエエェ!!」
「……やっちまった。どしよ。保健所とかでいけるんかな?……こいつ……万札すごい握力で握りしめとる」