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モンターグの貸出票

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ゆかり

むらさきの色こき時はめもはるに
野なる草木ぞわかれざりける
武蔵野の心なるべし

 伊勢物語のある一段。武蔵野の心なるべし、とは古今集に見れる詠に基づく。

むらさきの一本ゆえに武蔵野の草はみながらあはれとぞ見る(詠人知らず)

 むらさきの草一本そこにあれば紫草が産地武蔵野のすべての草を愛おしくする。触れれば移るほどに美々しい色は縁の色。ゆかりの色は紫色。
 だからこのしそふりかけは「ゆかり」と呼ばれている。三島食品の最高傑作、ゆかり。梅入り、ごま入り、かつお入り。ペンシルタイプなんてはいからなものさえある。私は「ゆかり」が大好きだ。ほかほかの銀シャリの上に塩っぱい赤紫蘇のむらさきが滲んで何杯でもいけてしまう。他におかずはいらない。
 握ってよし。パスタにもよし。直にそのままペロンチョリーナよんどころなし。
 そんな私のゆかりごはんに小蝿がフライングイントゥザゆかりごはんしやがった。私は確かに見た。ちいこいちいこい小蝿を認識した。イントゥザゆかりごはんを防ぐことが出来なかった。小蝿は擬態しゆかりとなる。ゆかりor小蝿。ゆかりごはんに箸を入れたい私の食欲と万が一小蝿をパクンチョィしてしまったらという懸念のせめぎ合いによりゆかりごはんは食えないが小蝿を食わずに済んでいる。ああ、神様もう少しだけ。もう少しだけ神様。私をこんな馬鹿なことに一喜一憂させてはくれないか。


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