アントーニオの肉一ポンド

返却期限を過ぎました。

腸炎ビブリオバトル

 今話題の(かどうかは正直よく分からないし既に当たり前の事象なのかもしれないけれど)Vチューバー。ヴァーチャルユーチューバーとかもはや何者? というくらいには歳をくった私ですが、それ自体を話題にしたいわけではなくてその某Vチューバーのアーカイブ放送を何の気なしに見ていたらVチューバーの方が「ケッチャムの『隣の家の少女』は共通言語で実質『よつばと!』」と言ってて笑いました。

 ケッチャムは『隣の家の少女』に限らず感情にくる暴力描写のキツい作風をもつ作家でご存知の方もいらっしゃると思います。隣の〜は某ブックオフでも転がってるくらいの代表作で、所謂シルビア・ライケンス事件をもとにした胸糞小説です。

 一方あずまきよひこ作『よつばと!』は独特の雰囲気を持つ不思議な少女を中心とした日常コメディで、絵のタッチからも察せるに可愛らしい漫画であります。

 この二作の共通点といえば実際女の子が近所に引っ越してくるだけです。作風から言っても彼岸に位置すると断じていいでしょうね。

 その些細すぎる共通点をピックアップしてニアリーイコールとはあまりの暴論でさすがに吹いてしまいました。

 しかし紹介の仕方としては無茶苦茶ながらも気を惹くものであると私は思いました。どちらも知っていた私がこう言うのは感覚としてフェアではないかもしれないけれど、例えばどちらかが公に知られる有名な作品を、ほぼ真逆のタッチで描かれた作品の紹介としてダシにするという手法、或いは作品紹介の上で間口を広げるべく嘘感ぷんぷんでハッタリをかますという方法論に私は「天才か」と感じてしまいました。真面目な方からは顰蹙を買うリスクはあれど私みたいなテキトーに生きてる人間からしてみるとこう言われた方が読んでみようかと思ってしまったりします。さらには既知であってもオイオイオイとツッコミを入れた上で作品自体を振り返る機会が与えられることにもこの手法の凄みを覚えました。

 某Vチューバーの方、なんとなく仰られた一言かもしれませんが私もあなたのような観点で好きな本を誰かに伝えていきたいと思いました。