アントーニオの肉一ポンド

返却期限を過ぎました。

日記について

 そもそもこのインターネットで文章を書き始めたのが大学生の時だった。いまでこそ小説だなどと言って空想や絵空事を公開もしたりするが初めは日記だった。魔法のiらんどってサイトを使っていた。今もそうなのか分からないけれどこのサイトには禁止ワードが設定されていて卑猥な言葉を書けないって仕様だった。それは構わないけれど当時大好きだったザ・イエローモンキーってバンドについて書こうとしたら「エロ」の部分が引っかかって笑った。

 初めは自分の備忘録たる日記と題して書いていたが、なぜか当時所属していた部活の先輩に持ち掛けられてホームページを作るからそのワンコーナーとしてリンクを貼りたいと打診された。縦社会の中でうんもすんもなく話は現実となり、ホームページが出来上がるより以前の日付け記事が一気に日の目を浴びることになる。それからというもの、ときには本当にあった事を大袈裟に、それでもって間抜けにデフォルメしたものを上げていた。貧乏学生のろくでもない日常だけを人に読ませるなんてしのびないし先ずもって文章として保たないと感じたので。記事毎にタイトルをつけるのが煩わしいので文中の単語をそのままコピペして貼った。例えば今書いたばかりの「コピペして貼った」がそのままその日の日記のタイトルになる。これがだんだんテキトーになってきて「テキトーになってきて」でもいいのに「なっ」のとこだけ使ったりしてもう意味とか成さないんだけれど「『なっ』読んだよ おもろかった」みたいに言ってくれる人達には今更ながら感謝しなければなんて思う。主に同じ軽音部の人達が読んでくれたわけだけど、その人達の知り合いや彼氏彼女のお褒めの声まで届き出した時には焦りつつ小っ恥ずかしいのと嬉しいのとがない混ぜで端的に言えば気分がよくなっていた。そんなこんなで甘やかされながら2年とすこしそういうことを続けた。残念ながら今読めるのかどうかは自分でも分からない。消し去った覚えはないけれど卒業してからは当然部活のHPも一新され、それに伴って電子の海の藻屑となったってわけ。

 今思うとほんとにくだらないことを書いてたはずだけど読めないので残っているのは「おもろかった」って言ってもらえた経験だけである。その時の思い上がりと勘違いのおかげで今もこうして文章を書くのをやめれずにいる。続けているとおかしなもので同人とはいえ本に載っけてもらえたり、出会うはずのなかった人達と友達になれたりもした。好きな映画でもある『フォレスト・ガンプ/一期一会』の冒頭でガンプが言う。

ママがいつも言ってた 人生はチョコレートの箱のようなもの 食べるまで中身はわからないってね

 チョコレートだろって突っ込みはそれがチョコレートの箱だって知ってる人間の言い分だ。少なくとも私は日記を書いてただけでそれがチョコレートの箱だなんてわからなかったです。ありがとうございました。

 

 

追伸:せっかくなので日記を書いてみるかと思ったけど「朝から頭痛がする」ってだけだったので試合終了です。重ねてになりますが対戦ありがとうございました。